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出口のない部屋
失った金は、身体で返せる。
身体を失っても、まだ人生は続けられる。
そんな世界で、人はどこまで自分を賭けられるのか。
人間の身体を人工的に複製し、失われた臓器や身体を交換できるようになった時代。
人々は、オリジナル / セミボディ / フルボディと呼び分けられながら暮らしている。
本来は人命を救うために生まれたクローン技術。
しかし、人間が「身体そのもの」に値段をつけられるようになれば、それを金に換える者も現れる。
そして、その世界には――人間の身体すら担保にできる、地下の賭場が存在していた。
気づいたときにはもう、後戻りできない場所にいる。
欲望と後悔が渦巻くこの世界に「正しい出口」なんて本当に存在するのか?
人間とクローンに運命を狂わされた男が辿る、破滅と選択の物語――。
作品情報

| タイトル | 出口のない部屋 |
| ジャンル | SFサスペンス/デスゲーム/ヒューマンドラマ |
| 作品形式 | 長編/単作/完結済み(2024年9月完結)/全42話 |
| キーワード | クローン、ギャンブル、依存症、地下カジノ、デスゲーム、借金、 家族、人間の身体、記憶、近未来SF |
キャッチコピー
“幸せな家庭”を壊したのは、誰でもない、自分だった
あらすじ
譲原隼人には、妻と二人の息子、そしてこれから生まれてくる三人目の子どもがいる。
仕事も家庭もあり、どこにでもいる父親。
そんな彼が暮らす社会では、クローン技術による身体の交換が一般化していた。
事故や病気で身体を失っても、人工的に作られた「ボディ」に交換することで生き続けられる。
便利で、人間を救う技術。
しかし同時に、自分自身の身体を売却して金へ換えることもできる社会でもあった。
そして隼人は、あるきっかけから地下の賭場へ足を踏み入れる。
最初は、ただの遊びだった。
勝つ。また勝つ。自分には才能があるのかもしれない。
あと一度だけ。まだ取り返せる。
――そうやって人間は、自分が何かを失っていることに気づかないまま、深いところまで沈んでいく。
物語の冒頭に登場するのは、七万枚ものコインを負け越した男。
返済できない借金の代わりとして提示されるのは、家族を差し出すこと。
あるいは、自ら地下で行われる「ゲーム」へ参加することだった。
そして、その男の名前は――譲原隼人。
彼がなぜそこまで辿り着いたのか。
物語は、そこから過去へ遡っていく。
この作品の見どころ
「ただの日常」から始まる転落
物語序盤の隼人には、仕事も家族もあります。
妻の妊娠を友人に報告し、育休を取ることを考え、これから生まれる子どもを楽しみにしている。
だからこそ、そこから少しずつ人生が崩れていく過程そのものが物語の中心になります。
身体に値段がつく社会
手、目、臓器。、身体そのもの。
失っても交換できるなら「今ある身体」を売ることは、本当に取り返しのつかない行為なのか。
クローン技術によって命を救える社会だからこそ、人間の身体が資産として扱われる危うさを描いています。
主な登場人物
譲原隼人《ゆずはら はやと》
本作の主人公。
妻リコと二人の息子を持ち、三人目の子どもの誕生を控えている会社員。
物語開始時点では身体を一度も交換していない「オリジナル」。
譲原リコ(旧姓:今井)
隼人の妻。
三人目の子どもを妊娠している。
阿形楓《あがた かえで》
隼人の同期で友人。
事故によって身体の大部分をクローン体へ交換した「フルボディ」として隼人に認識されている。
篠宮衣玖《しのみや いく》
隼人の同期。
身体の一部だけをクローン体にした「セミボディ」。
三兼
地下の施設で隼人と関わる男性。
礼儀正しく穏やかな態度を崩さない一方、支払えなくなった負債に対して淡々と選択肢を提示する。
冒頭から、隼人に「選ばなければ外へ出られない」と告げる人物でもあります。
こんな人におすすめ
ギャンブルや依存による転落もの、近未来SF、クローン技術を扱う物語、デスゲーム、人間の身体や記憶に価値がつけられた社会の倫理を描く作品が好きな方へ。
